同業グルメ
燻香が語る、土地の記憶

燻香が語る、土地の記憶

山幸

和食
静岡県三島市

地元食材を生かした燻製うなぎが看板で、料理の背景を語る大将の説明力が際立つ三島の和食店。

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山澤修平

飲食支援
山澤修平

三島といえば富士山の伏流水が街を潤す土地で、水にまつわる食文化が根づいている。山幸を訪れたのは、そういった背景への興味からでした。店の雰囲気は落ち着いていて、気負いのない和食の空気がある。

燻製という選択肢

うなぎの燻製が出てきたとき、思わず手が止まりました。蒲焼でも白焼きでもなく、燻製。煙の香りがしっかりと身に入り込んでいて、それでいてうなぎ本来の脂の甘さが消えていない。火入れと燻しのバランスをどこで決断したのか、皿を眺めながらしばらく考えていました。和食の文脈でうなぎを燻製にするのは珍しい。けれどこの店では違和感がない。それが技術の話なのか、発想の話なのか、おそらく両方です。

土地を語る皿

料理全体を通じて、食材が地元のものに徹していました。産地を散らかさず、三島とその周辺で完結させている。これは言葉にすると簡単ですが、実際に仕入れと献立を組み合わせて成立させるのは手間のかかることです。皿に地元の名前が宿っている、そういう感触がありました。

大将の言葉が料理を完成させる

食材の説明が丁寧で、押しつけがましくない。大将の話し方には、料理を「解説する」ではなく「一緒に食べる」ような距離感があります。何をどこから仕入れ、なぜこの調理を選んだか。短い言葉で伝わってくる。飲食の現場で語ることの難しさを知っているから、このテンポのよさには目が向きました。料理と言葉がセットになって、はじめて席の体験が完成する店です。

店舗情報

山幸

和食

静岡県三島市日本、〒411-0856 静岡県三島市本町11−7

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