
毎月通う理由は、自分を奮い立たせるため
小熊飯店
「完全会員制で高単価ながら常連が離れない店」
光山英明
飲食業界株式会社個人商店
肉山 / オーナー
千駄ヶ谷に、毎月通い続けている店がある。小熊飯店。完全会員制の中華料理店だ。
支払い額は、正直ハンパではない。NARISAWAと同じ水準と言えば、伝わる方には伝わると思う。それでも行く。毎月、開店当初からずっと。
会員証を持つことの意味
「また行きたい」という店は、いくらでもある。でも「ここに行くことが自分自身へのモチベーションになっている」と言い切れる店は、そう多くない。小熊飯店は、その数少ない一軒だ。

完全会員制という仕組みが、その感覚を後押しする。予約が取れない不満ではなく、会員であることへの誇りとして機能している。店側がそういう設計にしているのか、結果としてそうなっているのかはわからない。ただ、毎月訪れるたびに「また来られた」という感覚がある。それは義務ではなく、自分への褒美に近い。
金額に見合う理由を探し続けている
焼肉とホルモンの仕事をしている自分が、中華料理の店に毎月通う。業種は違う。でも、食の現場にいる人間として、この店から受け取るものがある。

何が違うのかを言語化しようとするたびに、言葉が追いつかない。料理の技術なのか、空間なのか、会員制という仕組みが生む緊張感なのか。おそらく全部が重なっている。


支払いのたびに「高い」とは思う。でも「損した」とは一度も思っていない。その差は大きい。
月に一度の基準点
飲食に携わっていると、日常のなかで感覚が鈍る瞬間がある。食べることが仕事になると、驚きの閾値が上がる。小熊飯店は、その閾値をリセットしてくれる場所だ。


毎月通い続けているのは、習慣ではなく必要性だと思っている。自分の仕事の基準を保つために、この店が要る。そういう店が一軒あるかどうかで、仕事への向き合い方が変わる。同じように感じる方には、ぜひ一度、会員の資格を得る手間をかけてほしい。

店舗情報
小熊飯店
東京都渋谷区日本、〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷3丁目14−10
