
軽井沢には山のものしかない、なんてことはない
木邨
「寿司職人出身の大将による目利きの鮮魚と、奥様が飲み比べて選ぶ全国・信州の日本酒が揃う、軽井沢の家族経営の和食店。」
長野県は海のない内陸の県、その中でももう一つの海なし県の群馬との県境にある軽井沢は、実は日本海側からも太平洋側からも輸送ルートが通じています。つまり、鮮魚の仕入れという点では、意外なほど条件が整っている。

木邨の大将・路典さんは、軽井沢が誇る偉大なる町寿司「弥助鮨」の出身です。その仕入れルートと目利き、さばきの技術が、この店の背骨になっています。
メニューはびっしり、迷うのが仕事
刺身、焼き魚、揚げ物、煮魚、旬の野菜に山菜。メニューの裏表にその日の品書きがぎっしり並んでいて、とてもじゃないが選びきれません。










日本酒は黒板に全国から5銘柄、信州各地から5銘柄が常時書いてあります。これをホール担当の奥様・浩子さんが実際に飲んで選んでいる、というのが効いています。「女将のオススメ」と書いてある店はいくらでもありますが、本当に飲んで選んでいる人の言葉は、一言目から違います。
家族経営、という構造の誠実さ
軽井沢の飲食業は、夏の観光シーズンとマイナス10℃以下になる閑散期とで、客足の振れ幅が恐ろしいほど大きい。大型店は夏に稼いで冬に備えるという戦略が取れますが、通年でリーズナブルな価格をキープしようとすれば、人件費を固定費化することが難しくなる。結果、家族経営でなければ成り立たない。
木邨もそういう店のひとつです。でも、だからこそ、この価格帯でこの魚が出てくる。構造と誠実さが直結しています。
締めの寿司の付け台が記憶に残る
締めには、寿司の付け台に乗って花かつおを纏って登場するおにぎりと、八丁味噌か信州味噌かを選べる味噌汁とセットで、ぜひ。この最後の一手が、夜全体の記憶をきれいに畳んでくれます。

海なし県で、この鮮魚の質と価格帯を維持している店は、そう多くありません。
店舗情報
木邨
長野県軽井沢町日本、〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢609
