同業グルメ
揚げの腕が素材を救う

揚げの腕が素材を救う

とんかつ小やじ那覇店

とんかつ
沖縄県那覇市

ラード揚げで仕上げたヒレカツとささみカツが光る、沖縄屈指の火入れ精度を誇るとんかつ店。

コンセプト商品ホスピタリティ空間価格
間違いない

菅田健二

鮨練磨

菅田健二

沖縄でとんかつを食べるなら、という話になったときに真っ先に挙げたい店があります。那覇市にある「とんかつ小やじ那覇店」です。自分は以前、豚肉専門店(しゃぶしゃぶ、とんかつや)に勤めていたこともあり、東京でも沖縄でも相当な数のとんかつを食べてきましたが、ここは沖縄で上位に入ると断言できます。

ラード揚げが決める、あの軽さ

揚げ油にラードを使っています。これが全体の印象を左右しています。サラダ油や植物油とは異なり、ラードは高温での安定性が高く、衣に余分な油が入りにくい。食べ終えても胃に重さが残らない。とんかつを食べた後特有の重さが、ここにはありません。揚げの技術も確かです。火入れの精度が高く、肉に対して均一に熱が通っている。その結果がヒレカツに最もよく出ています。脂身の少ないヒレ肉は、火入れが雑だとただの硬い肉になりますが、ここのヒレカツは断面がしっとりとしたままです。

ささみカツという難題への答え

期間限定のささみカツを食べて、箸を止めました。ささみは一歩間違えれば揚げの具合によってはパサつく素材です。脂肪をほとんど持たない筋肉の塊で、熱の入れ方がほんの少しでもずれると、水分が飛んでいきます。それがここでは一切なく、しっとりとジューシーな状態で皿に出てきました。これは偶然ではなく、油の温度管理と揚げ時間のコントロールが正確でなければ出せない結果です。自分がとんかつを揚げる立場であれば、ささみを定番ではなく期間限定に留めておく理由がよくわかります。それほど難しい素材を、これだけの精度で仕上げています。

沖縄で、この水準のとんかつに出会えること

沖縄はとんかつの激戦区ではないですがアグー豚や離島の島豚等の銘柄豚が多く、素材重視してるお店も少なくないです。それだけに、この店のクオリティは際立ちます。揚げ技術においては、東京の美味いとんかつ屋に引けをとらないと素直に思います。特にヒレとささみ、脂の少ない素材での仕上がりは、参考にしたいレベルです。訪問の機会があれば、ヒレカツを軸に、タイミングが合えばささみカツも試してみてください。

店舗情報

とんかつ小やじ那覇店

とんかつ

沖縄県那覇市日本、〒900-0014 沖縄県那覇市松尾2丁目8−34

この記事をシェア

ポストLINE
菅田健二の記事をもっと見る