同業グルメ
プライベート空間でいただく炉窯焼きの肉は最高傑作。

プライベート空間でいただく炉窯焼きの肉は最高傑作。

食道麻布

鉄板焼き・ステーキ
東京都港区

フレンチ出身シェフが手がける炉釜焼きの肉料理と和の季節感を組み合わせた、全16席のプライベート感漂うコース専門店。

コンセプト商品ホスピタリティ空間価格
間違いない本当は教えたくない

カズハル

飲食支援

プロフェッショナル・フードフォトグラファー

カズハル

東京で、静かに肉と向き合える場所がある。食べログは3.08であり知る人ぞ知る肉料理の隠れた名店が南麻布にあります。

麻布十番の喧騒から少し距離を置いた南麻布。住宅街に溶け込むマンションの1階に、「食道麻布」はひっそりと構えています。看板を探して歩いていると、ふと「本当にここか」と立ち止まるような場所です。でも、扉を開けた瞬間、その問いは消えます。

別荘に招かれたような感覚

木の質感が手に伝わるような内装。和モダンと呼ぶのが適切ですが、それだけでは足りない何かがある空間です。カウンター6席、テーブル10席、個室も備えた全16席。数字だけ見れば小さな店ですが、この規模だからこそ成立する密度があります。

広くておしゃれなカウンター

席に座ると、スリッパが用意されています。これは単なる気遣いではなく、オーナーが「別荘に来た気分になってほしい」という意図を持って選んだ設えです。外の世界から切り離されたような感覚。都市の中にいながら、どこか遠くに来たような静けさ。その空気の作り方が、すでに料理が始まる前から食べる側を整えていきます。

カトラリー

カウンターに目を向けると、特注の炉釜が据えられています。無骨でありながら、空間に馴染んでいる。この炉釜がこの店の心臓です。

炉窯のあるキッチン

炉釜が引き出す、肉の本質

厨房に立つのは、AU GAMIN DE TOKIOで料理長を務めた新井シェフ。フレンチの技術を骨格に持ちながら、和の季節感を自在に取り込んだコース仕立ての料理を展開しています。

その日のメニュー

前菜は田村牛と熟成じゃがいものムース仕立てで、塩味にキャビアが添えた料理から。ジャガイモの上品な甘さと旨味に田村牛の旨味が重なり、キャビアがアクセントになる一品。これからの料理出てくる料理は間違いなくおいしいと思わせてくれます。

田村牛 熟成ジャガイモ キャビア

前菜の野菜のパフェは、見た目の楽しさと味の精度が同居しています。酸味、甘味、旨味が層を成すように混ざり合い、箸を持つ手が自然と動く。派手さがあるのに品がある。このバランスが、コース全体の予告編になっています。

野菜のパフェ ゴルゴンゾーラドルチェ だだちゃ豆のソース

野菜のパフェはパフェグラスに

そして炉釜の出番です。

富士幻豚の肩ロースを炉釜でじっくりと焼き上げる。外側には香ばしい焼き色が入り、断面を見ると中心まで均一に熱が通っている。脂の甘みが肉の繊維に染み込み、噛むたびに旨味が層を成してほどけていく。添えられた柑橘の酸味が、その濃さをすっと整えてくれます。重くない。でも満ちている。

静岡富士幻豚 肩ロース炉窯焼き(高知グリーンレモン)

そして烏賊のピキージョ詰め バスク風ブイヤベースは烏賊の濃厚な旨味とピキージョ(赤ピーマン)の爽やかな酸味のバランスがとても良い一品です。よりお腹が減ってくるのがわかります。

烏賊のビキージョ詰め バスク風ブイヤベース

黒毛和牛の牛タン、田村牛のイチボ、フィレ。それぞれが炉釜を経ることで、素材が持つ固有の風味と食感を最大限に引き出されています。旨味の濃度が高く、食べながら「これが本来の味か」と思わせる説得力があります。炉釜という道具の力と、それを使いこなすシェフの技術が重なったときにだけ出せる仕上がりです。

カウンターの眼の前で肉を切る

黒毛和牛タン元 田村牛イチボ 炉窯焼き (タスマニアペッパーペリー)

田村牛フィレ 炉窯焼き(十勝 山わさび醤油漬け)

その雲南省の薬膳きのこサラダで一休み。キノコの香りと食感を楽しめます。

雲南省の薬膳きのこのサラダ

締めまで手を抜かない誠実さ

コースの終盤、田村牛リブロースを使った混ぜごはんが出てきます。肉を食べ続けた後に、さらに肉で締める。それが重さにならず、むしろこのコースの結末として腑に落ちる。米に脂と旨味がしっかりと絡み、最後の一口まで密度が落ちません。

田村牛リブロース 肉混ぜごはん(山形ゆりあふぁーむ 合鴨農法つやひめ)

田村牛リブロース 肉混ぜごはん

田村牛フィレとご飯を一緒に

そこからカレー、デザート(作りたてバニラアイス)へと続きます。カレーは余韻として、デザートは着地として。どちらもこだわりを感じるおいしい料理です。フィナンシェもしっとり、稀少な嶺頭単ソウの烏龍茶もすばらしい。ボリュームも十分で、食べ終えたときの満足感は、量からだけではなく、一皿一皿に込められた密度の積み重ねから来ています。

〆のカレー

作りたてのバニラアイス カフェリエジョワ

焼き立てのフィナンシェ 水出し烏龍茶 嶺頭単ソウ

このコース全体を22,000円ほどから体験できます。都内の同ジャンルの店と比較しても、空間の質、料理の精度、使われる食材の水準を合わせて考えれば、その値付けには誠実さがあります。

ドリンクメニュー

南麻布という少し奥まった立地。16席という規模。炉釜という選択。どれもが、流行を追うのではなく、自分たちが届けたいものを届けるための判断です。このコースを22000円でいただけるのは他のお店に行くよりも価値があり満足度が高いと思います。都会の喧騒を忘れ、洗練された空間で極上の肉料理とワインを楽しみたい方は、ぜひ訪れていただきたい隠れた名店です。

店舗情報

食道麻布

鉄板焼き・ステーキ

東京都港区日本、〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目5−9

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