
好きじゃないから、ここまで来た
鳥嵩(とりたか)
「変幻自在に焼き方と味付けを変え、毎回少しずつ進化し続ける軽井沢の予約困難な焼鳥。」
樋口 理
ライターくいしんぼ
軽井沢で焼き鳥、と言うと少し意外に思われることがあります。ただ鳥嵩は、軽井沢というロケーションを抜きにして訪ねるべき店です。

炭の前に立つ人
カウンターの中で、店主の土屋さんは一瞬も手を止めません。炭の火加減を細かく調整しながら、鶏肉を炭の上に乗せては手で弾力を確かめ、また戻す。それを何度も繰り返す。その間も、今出している一皿にどんな工夫を加えたか、今こんなことを試している、という話を楽しそうにしている。ステージ、という言葉がちょうどいい。見ていて飽きません。

出てくる焼き鳥は、部位ごとに焼き方も味付けも違う。一本食べ終わる前に次が気になる。そういう構成になっています。

お酒は、日本酒とワインを料理に合わせておまかせで少しずつ出してもらうのが正解。

好きじゃないものを突き詰める
笑いながら言っていたのですが、土屋さん本人は鶏肉が好きではなかったそうです。好きじゃないものをどうやったら美味しく食べられるか、そこから試行錯誤が始まったと。これはかなり重要な話で、「好きだから突き詰めた」のとは根本的にロジックが違う。不満から入った人間の方が、解像度が高くなることがあります。


訪れるたびに変わっている
「焼き鳥ってそんなにいろんなことができるわけじゃないので、3ヶ月に一度来ていただければ十分ですよ」と本人は言います。でも実際には、焼き加減、部位の使い方、薬味に使う野菜の種類、ほんの少しずつ、確実に変わっています。同じ場所に留まることへの抵抗感、みたいなものが、この人の推進力なのかもしれません。





情熱大陸に出てからは予約がさらに取りにくくなりました。1日2回転、5時と7時の完全入れ替え制。軽井沢まで行くなら、予約を確保してから日程を決める順番で動くほうがいいです。
店舗情報
鳥嵩(とりたか)
長野県軽井沢町日本、〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉628−5
