
半世紀を焼き続ける背番号
野球鳥
「創業から半世紀を超えた老舗焼き鳥店で、メニューがすべて野球用語という唯一無二のコンセプトと、元プロ野球選手の現役店主が焼く大判豚バラが名物の一軒。」
でぶグルメライターくりしん@福岡
飲食業界株式会社キッチン
AFTER THE RAIN / CEO
野球鳥で「シングルヒット」4本から試合開始
やっぱ博多の焼き鳥といえば「ブタバラ」やね。
福岡市中央区警固、上人橋通り沿いに「野球鳥」という焼き鳥屋がある。1975年創業だから今年でちょうど52年目。創業者の縄田洋海さんは1970年に西鉄ライオンズに入団した元プロ野球選手で、80歳になった今もホークスのユニホーム姿で焼き場に"登板"している。

メニュー表を眺めながら試合開始を待つ
店に入って座ったら、メニュー表を隅から隅まで読むのが流儀だ。「人工芝」が酢キャベツ、「ブルペン」がトイレ、「キャッチャーミット」が灰皿。野球用語で統一されていて、頼むものが決まっていても目が離せない。

肝心のブタバラは「シングルヒット」。なぜこの名前かを縄田さんに聞いたら「よく出るけん」と一言だった。名付けの哲学としてはシンプルすぎるが、まあそれでいい。「刺殺プレー」はねぎま豚(140円)の名前で、こちらは理由がわからない。自分の耳で聞いてみてほしい。
アタマからかぶりつくしかない
いつもどおり全部で20本、シングルヒットは4本頼む。ブタバラは最初に出てくるのが博多の焼き鳥の流儀で、そのチャームポイントでもある。
来た。縦10センチ横5センチの大判、アブラがじんわり浸み出して艶やかだ。全体を愛でて、裏もきちんとチェックしてから、アタマからかぶりつく。ハグッ。アツアツの肉、噛むと噴き出すアブラ。「コーチ」つまり瓶ビール(500円)で流し込む。


ちなみに縄田さんが焼くと塩は「控えめ」、ベテランの辻利之店長が焼くと「いい塩梅」になる。同じ食材でも焼く人間が違えば味が変わる、というごく当然の事実を、ここでは毎回実感させられる。

もう1球、投げてくる
食べ過ぎ飲み過ぎた。「試合終了」、つまりお勘定を頼もうと口を開きかけたら、縄田さんがこちらを見ずに一本新しい串を火にかけていた。80歳のユニホーム姿に、何も言えなかった。21本目を受け取った。

店舗情報
野球鳥
福岡県福岡市日本、〒810-0023 福岡県福岡市中央区警固1丁目1−23
