同業グルメ

正統と革新の分岐点

一風堂 恵比寿店

ラーメン
東京都渋谷区

白丸・赤丸の2系統を軸に、創業の味と進化形を食べ比べで理解できる博多とんこつの名店。

コンセプト商品ホスピタリティ空間価格
間違いないとにかくおいしい
マイベスト

モダシン

一風堂 恵比寿店|白丸と赤丸、原点と革新の間で

博多とんこつの話をするとき、避けて通れない店があります。一風堂です。恵比寿駅から歩いて10分ほど。思ったより距離がありましたが、着いた頃には逆に腹が決まっていました。

スープの骨格を確かめる

白丸元味から攻めました。創業当時から引き継がれているという、この店の原点です。塩ベースのかえし、ラードを合わせたとんこつスープ。一口すすった瞬間、余計なものが入っていないことがわかります。なめらかで、静かで、けれど薄くない。豚骨をじっくり炊いた白濁スープには、雑味がありません。乳化の度合いが絶妙で、口の中に広がる後味が長く、清潔です。

塩こうじと低温調理で仕上げたロースチャーシューは、箸で持ち上げるだけでほぐれそうなほど柔らかく、スープの邪魔をしません。脂が少なく、赤身の旨味がスープと静かに溶け合います。細麺の歯切れも計算されています。さくっと切れる。スープと絡まる前に終わる。それが心地よかった。一風堂の白丸は、派手さよりも精度で勝負している一杯です。

革新が正統派を際立てる

赤丸新味は、白丸を食べてから頼んだ方が理解が深まります。醤油ベースのかえしに背油、にんにくの香油、そして特製の辛味噌。ひとつのどんぶりに重層的な要素が入っています。白丸と比べると、最初の一口から情報量が違います。にんにくの輪郭がはっきりしていて、背油のこってり感が前に出てくる。それでいて、くどさに傾かない。

小麦の香りが立つ中細麺に、厚切りのバラチャーシューがのります。白丸のロースとは対照的に、こちらは脂の層が厚く、噛むたびに肉の甘みが出てきます。白丸が静なら、赤丸は動です。辛味噌をスープに溶かしながら、どんぶりの底から味の変化を追う時間がありました。溶かす前と後では、まるで別の一杯のように感じます。この二軸が揃っているから、この店は強い。

カップ麺との答え合わせ

正直に書きます。コンビニで一風堂のカップ麺を買うことがあります。手軽さで選ぶ日があります。ただ今日食べて、やはりそれとこれは別物だとはっきりわかりました。スープの厚みが違います。麺の歯触りが違います。カップ麺のスープは輪郭が先に来て、すぐに終わります。店のスープは、飲み込んだ後もしばらく口の中に残ります。その余韻の長さが、決定的な差です。

言葉にするなら、カップ麺は「再現」で、店のラーメンは「本体」です。あたり前のことを確認しに来たわけではないのですが、この差は自分の仕事を考える上でも、ひとつの基準になります。

店舗情報

一風堂 恵比寿店

ラーメン

東京都渋谷区広尾1-3-12 ハイネス恵比寿

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