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ともこが「ともこ」と出会う

ともこが「ともこ」と出会う

豆もやしクッパ専門店ともこ

韓国料理
東京都新宿区

豆もやしクッパに独自の食べ方ルールがある新宿の韓国料理専門店で、〆や二日酔いの翌日にも使える一軒。

コンセプト商品ホスピタリティ空間価格

阿部朋子

飲食支援
阿部朋子

店名を見た瞬間、少し笑ってしまった。「ともこ」という名前が自分と同じだったからだ。それがきっかけでずっと気になっていたのに、店が拡張してから足を運ぶまで時間がかかってしまった。新宿・歌舞伎町エリアにある「豆もやしクッパ専門店ともこ」。ようやく腰を上げた。

豆もやしクッパ専門店ともこの外観

専門店が専門店である理由

豆もやしクッパ、つまり콩나물국밥(コンナムルクッパ)は韓国では馴染みの深い料理だ。豆もやしを煮込んだスープにご飯を入れた、それだけと言ってしまえばそれだけの一杯である。だが専門店がそれ一本に絞るということは、その一杯で勝負するということだ。メニューを絞った店には必ず、その判断を成立させるだけの根拠がある。

運ばれてきたのは、熱々のもやしクッパと、なぜか別の器に盛られた半熟の目玉焼きだった。最初は「なぜ別々なのか」と思った。食べ方を聞いてわかった。これは一緒に出しているのではなく、食べ方ごと提供しているのだ。

クッパと目玉焼きが別々に提供された様子

黄身をつけ汁にするという発想

食べ方に手順がある。まず別の器の半熟目玉焼きに、クッパのスープを少量注ぐ。黄身を崩し、スープと混ぜる。その黄身とスープが溶け合ったものを、つけ汁として使う。豆もやしをそこに絡めて食べる。

これが驚くほど合う。スープ自体はすっきりとした旨味なのに、黄身が絡むことで濃度が生まれる。豆もやしのシャキシャキとした歯応えに、とろりとした黄身が纏わりつく感覚。箸を止められなくなった。

海苔と胡麻をのせた半熟目玉焼き

つけ汁という発想自体、クッパという料理に対して新鮮だった。ご飯も入っているスープなのに、さらに別のつけ汁を経由して食べる。二段階の味の変化がある。ご飯は雑穀米で、白米より粒の存在感があり、スープを吸いすぎず最後まで食感が残る。この選択は正しい。

スープの味付けは卓上で調整する形だ。アミの塩辛、青唐辛子、コチュジャンが用意されていて、それぞれ好みで足していく。アミの塩辛を少量加えると、磯のような発酵の深みが出る。青唐辛子はフレッシュな辛さで、コチュジャンとは性格が違う。三つを組み合わせると、自分だけの一杯になる。

二日酔いの昼と、飲んだ夜の〆と

この一杯が刺さる場面が、はっきりと思い浮かぶ。前の晩に飲みすぎた翌昼。あるいは飲んだ帰り道の〆の一杯。豆もやしは二日酔いに効くと韓国では昔から言われているが、それを抜きにしても、このスープは胃に沁みる。油っ気がなく、だが旨味は十分にある。飲み疲れた体が求めるものが、この丼の中に全部入っている。

歌舞伎町という立地もわかる気がした。飲んだ後の人間が歩く街で、この一杯を出す専門店を構えるのは、相当に理にかなっている。土曜日に営業しているというのも、前夜から続く週末の夜遊び客を意識しているのだろう。場所と料理と営業スタイルが一致している店は強い。

豆もやしクッパという料理をここまで丁寧に設計した店を、私はほとんど知らない。スープの旨味、黄身のつけ汁、雑穀米の食感、卓上の薬味構成。すべてが一杯の中で役割を果たしている。専門店を名乗るということは、こういうことだと改めて思った。

店舗情報

豆もやしクッパ専門店ともこ

韓国料理

東京都新宿区日本、〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2丁目42−17 新宿ビル 1F

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