
締めの一膳に、また会いに来る
居酒屋 酒と飯 コメマル 大阪福島
「土鍋炊きの炊きたてご飯と豊富な日本酒を軸に、肴との組み合わせを楽しめる大阪福島の居酒屋。」
阿部朋子
飲食支援大阪・福島に、締めのご飯を目当てに再訪したくなる居酒屋がある。「酒と飯 コメマル」。店名が示す通り、日本酒と炊きたてご飯が軸にある店だ。

空間の使い方が正直でいい
入口付近は立ち飲みスペースになっている。サクッと一杯だけ寄れる導線と、奥のカウンター・テーブル席でゆっくり飲める導線が、同じ箱の中に共存している。客層の幅を広げながら回転と滞在を両立させる設計で、この空間の使い方は参考になる。
肴の精度が日本酒を引き上げる
日本酒の品揃えは豊富で、料理はどれを頼んでも酒との相性を意識して作られているのがわかる。ごまかんぱちは、白胡麻の風味と脂の乗った鰤の組み合わせが日本酒を呼ぶ。

クミンメンチカツは予想外の一皿だった。クミンのスパイス感が揚げた肉の旨味に重なり、癖になる後味を残す。和の文脈に異質なアクセントを差し込む発想は、酒場の単調さを崩す有効な手段だと改めて思う。ポーションは2人でシェアしてちょうど良いサイズ感で、品数を頼みやすい。

土鍋炊きご飯が締めの主役になる
この店の核心は、締めに選ぶ炊きたてご飯にある。1時間から1時間半に一度、土鍋で炊き上がるタイミングに合わせてオーダーする仕組みで、その日のお米が日替わりで選ばれている。
注文したのは2種。「龍のたまご」の卵かけご飯は、米の甘みと粘りが際立ち、TKGとして完成度が高い。余計なものを加える必要がない。

金山寺味噌のもろみバターご飯は、炊きたての熱でバターが溶け、もろみの塩気と発酵の風味がご飯全体にまわる。米を食べているのに、酒の肴として機能していた。

土鍋炊きご飯を「締め」として体験の中心に据えるコンセプトは、単なる差別化ではなく、店が何を売りたいかを正確に伝えている。日本酒と炊きたてご飯という組み合わせは、それ自体が古典的な日本の食の構造そのものだ。コメマルはそれを、現代の酒場としての文脈に素直に落とし込んでいる。


店舗情報
居酒屋 酒と飯 コメマル 大阪福島
大阪府大阪市日本、〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島8丁目17−3 2F
